Last Update 2023.12.27

Interview

ザ・クロマニヨンズ インタビュー

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Record People Magazineがおくるインタビュー第1回目は、ザ・クロマニヨンズから甲本ヒロトと真島昌利が登場!

彼らが新作の度にアナログレコードも発表していることは音楽ファンにはお馴染みだが、2015年10月21日(水)にリリースしたニューアルバム『JUNGLE 9』もしかり。CDからダウンロード、ストリーミングへとリスニングスタイルが広がるなかで、昨今、アナログ盤が熱い動向をみせる理由がふたりの言葉からわかるのではないだろうか。生涯リスナーであり続けるレコード大使のようなふたりに、レコード愛あふれる話をたっぷりと訊いた。

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レコードプレーヤーでオーティス・レディングをかけたら、感動して水道の蛇口をひねったくらい泣いてんだよ(甲本ヒロト)

甲本 去年だったかな、ニューヨークでレコード屋さんを巡ったときに、新譜(のアナログ盤)だけ置いてるお店があって、お客さんがわーっといて驚いたんだよ。でも、あれ?と思ったんだよね。俺たち中学生のときは新譜しか売ってなかったじゃんって。新譜っていうか、新品ね。そんなレコード屋、数十年ぶりに見て嬉しくなったんだよ。アメリカだとこれがもう商売になってるんだなって。中古盤屋じゃないレコード屋がちゃんとやっていけてるんだよ。

――今はストリーミングで音楽を聴くスタイルもあるなかで、モノとしてはレコードを買うという流れが定着しつつありますね。

甲本 そうだね、腑に落ちるんだよね、レコードを聴くと。

――おふたりは、今ではアナログレコードも一緒にリリースするのがお決まりになっていますが、ちょうどレコードからCDに切り替わるタイミングで、CDだけのリリースになったときもありましたよね。

真島 うん。

甲本 それは世の中の流れだからね。レコードだってもとはSP盤から変わってきたわけだし、今のレコードやEP盤とかが出る前の時代があったわけでしょ。それを駆逐して、このレコードがのしてきたわけだから、そういう動きはあってもいいことなんだよ。で、「ああ、次はCDなのか」って受け入れるのが普通なんだよね。で、受け入れるつもりでCDプレーヤーも買ったんですよ。あれ? 最初はもらったんだっけ?

真島 もらったね、人から(笑)。

甲本 自分たちがメジャーデビューするときにCDの話をされてて、「CDって何? そんなん出さなくていいよ。レコードがあるんだもん」って言ってたんだけど。でも、これからはCD買う人もいるんだからそういう人たちのためにもって言われて、「じゃあCDも出せば?」って言ったのが始まりだったんだよ。それから何年かやっていくうちに、CDだけになっていくんですよ、自然に。

――レコードも一緒に出していたのは、ブルーハーツでは3枚目まででしたね。

真島 うんうん。その頃、梶くん(梶原徹也/ブルーハーツのds)がずいぶん心配してたよ。「メルダック(バンドが所属していたレーベル)ってCDも出せるの?」って。最初、CDとかってソニーのイメージがあったから、CDはソニーの専売特許で俺らはレコードしか出せないんじゃないかって、すごい心配して聞いてたんだよ。

甲本 逆にそういう心配もあったのか(笑)。今の時流にのってCDを出した方がいいんじゃないかって?

真島 そうそう。そのことを心配してたのをすごくよく覚えてる。よくわかんなかったんだよね、CDって何だよ?って。それがまさかレコードを駆逐して主流になるとは思ってもなかったし。うん。やっぱり、ちょっとこだわってる特別な人が聴くものだっていうイメージが強かったんじゃないかな。最初に出たCDって、大滝詠一さんの『A LONG VACATION』だっけ?

甲本 そういえば、CDプレーヤーをもらったから、じゃあCDを買いに行こうって言って初めてCDを買ったんだけど、電車の中でやっちまったんだよ。開け方がわからなくてさ。

真島 ふふふ。

甲本 一緒にいたよね? 覚えてる?(笑)。

真島 まだその頃、輸入盤のパッケージが固いプラスチックでさ、どっから開けたらいいのかわからなかったんだよね。

甲本 それで渋谷から帰るときに、俺が電車の中で我慢できなくなってバリバリってパッケージ開けて中を確認しようとしたんだよね。で、力任せにやったらパリーンってなって、CDがポーンって飛んでコロコロコロって転がってった(笑)。CDはねえ、そこからケチついたんだよ(笑)。

真島 イメージ悪いねえ(笑)。

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