Last Update 2022.12.1

Interview

XOXO EXTREME 「ADELHEID」発売記念インタビュー

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プログレッシヴ・ロック×アイドルソングという唯一無二の世界観と、幻惑のスーパー・ライヴを武器に日本はおろか世界を魅了する4人組プログレ・アイドルXOXO EXTREME(通称:キスエク)。

活動6年目に入った今年、2019年に脱退した小日向まおが3年ぶりにグループに復帰するというサプライズがもたらされた。2月には真城奈央子、6月には星野瞳々の卒業と、まさに激動としか形容できないほどの日々を過ごしながら、確実に進化を遂げ続ける彼女たちは、6月にニューシングル『ADELHEID』をリリース。

表題曲はCOALTAR OF THE DEEPERS/特撮で知られるNARASAKIの筆によるもの。ジェントを大胆に取り入れた激しくもメランコリックなサウンドは、キスエクにこれまで以上のアグレッシブさをもたらした。

その『ADELHEID』が11月3日の「レコードの日」に7インチ盤として、NARISUCORE RECORDSからリリースされる。

発売に伴い、小日向復帰の経緯から、新作について、そして歩みを止めない彼女たちが今見据える先々のことについて、メンバー全員、XOXO EXTREMEプロデューサー大嶋尚之、なりすレコードの平澤直孝を交えてうかがった。

取材・文:田口俊輔

楽屋で久々にちゃんまに会ったとき、何を考えているかわからず怖かった(浅水るり)

――3月20日開催のライブにて小日向さんがキスエク復帰をはたされてから、早7ヶ月経ちました。まず小日向さん、今のキスエクでの活動についていかがですか?

小日向まお(以下:小日向):居心地がすごくいい、良すぎます。メンバーもファンの方も、私がまた戻ってきたことに対して優しく受け入れてくれて。毎回の活動も楽しすぎて…今、人生キラキラしてます(ニコニコ)。

――迎え入れたお三方としては、久々の小日向さんとの活動はいかがです?

一色萌(以下:一色):まず、ちゃんまおは本当に常に元気で、キスエクに“陽”の力をプラスしてくれたのは間違いありませんね。ずっとやっている身としては、「もしかしたらいたかもしれない。けどある日いなくなってしまった人」が戻ってきた。あの時できたはずなのにできなかったことを、3年越しにできているのがすごく不思議で面白いなと。

浅水るり(以下:浅水るり):私が候補生としてキスエクに加入したのが2019年3月で、ちゃんまおが脱退したのがその2ヶ月後。なので、正直ほぼ(小日向の)記憶がないんです。ちゃんまおがキスエクにいた期間の長さを私が超えたこともあってか、ファンの方から戻ってきたときに「謎の立場の人が帰ってきたね」って色々ツッコまれました。確かに、その辺りの関係性が謎だったので、どうする?と相談したところ「私、後輩がいい」と言うので、じゃあ私が先輩でいいかとなりました。

小嶋りん(以下:小嶋):私も、ちゃんまおの1ヶ月後に入ったので、加入当初は先輩として敬語で話していたんです。ただ、ちゃんまおは「年下の後輩キャラ」という立ち位置を絶対に譲らなくて、途中から普通に話すようになったんです。なんで年下キャラにこだわるの?

小日向:え~、ずっと一番下でいたい。ずっと後輩でいたいんだよね。

――昨年12月末に開催された5周年記念ワンマンにて、久々に小日向さんはキスエクの一員としてステージに立ちました。そこからの復帰までにいたる道のりを、あらためてうかがえればと。

小日向:一応、脱退後もSNSに別アカウントを作って、Twitterもフォローしていたので色々と情報は追っていたんです。

小嶋:フォローされた時、ちゃんまおだってすぐ気づきました。インスタの「いいね」をメッチャ押してくれて。

小日向:辞めてから、どんどん大きくなっていくキスエクを見て「すご~い!売れてんじゃ~ん!!みんな頑張っているね~!!」って、思っていました。

一色:おい!こっちは大変だったんだぞ(苦笑)。

浅水:これはみんな怒っていいですよね(笑)。

大嶋尚之プロデューサー(以下:大嶋):ちゃんまおが脱退して約2ヶ月後にはワンマンが控えていて。この頃の浅水は候補生だったので当初3曲ほどの参加予定だったところ、ちゃんまおの代わりに全曲参加することになり、短期間で20曲ほど覚えなければいけなくなったんです。

浅水:1ヶ月半のうちに全曲覚えることになって、毎日2~3曲振り入れしていました。

小日向:ゴメンなちゃい。これからもっと頑張るから、一緒にがんばろうね!

浅水:う、うん…(苦笑)。

一同:(笑)。

一色:今こうして笑い話にできていますが、卒業ではなく“脱退”とあるように、決して円満ではない去り方だったので、正直当初はみんな怒っているスタートだったんです。ただ、小嶋とはずっと個人的に連絡を取り合っていたそうで。そうしたら、いつの間にか芽瑠さん(オリジナルメンバーの楠芽瑠)とも連絡を取り、芽瑠さんにはシッカリ謝ったそうなんです。

小嶋:確か脱退して1年後ぐらいに、私とは会ったんだよね。私としてもほぼ同期の仲良しだったちゃんまおが脱退したときは悲しかったんですよ。何より、ずっと二人(一色、浅水)と和解できていないのも寂しくて。いつか、謝りに来てくれることを願って、生誕祭や周年ライブがあるたびに誘うようになったんです。当然最初は「気まずいから」と、中々来てもらえなかったのですが、去年の生誕祭にやっと遊びにきてくれて。そのとき、楽屋まで来て二人に謝ったんだよね。

一色:実は小嶋の生誕祭前後で、5周年記念ライブについての話になって。この大きな節目を迎えるにあたり、キスエクの基盤を作ってくれた芽瑠さんをはじめ、オリジナルメンバーのしんぴか(新條ひかり)さん、ねねてゃむ(ネネ/うたた寝音)、そしてちゃんまおと、これまでキスエクにいた全員に出てもらい、特別な日にしたいと大嶋さんに激押したんです。

大嶋:僕も5周年ライブを開催するなら全員に来てもらおうと思っていて。全員にオファーを出したところ、しんぴかと寝音ちゃんは都合がつかずムリで。その中で、小嶋の生誕祭にちゃんまおが遊びに来て。僕もこの日が脱退後初の遭遇だったのですが、ちゃんまおが僕を見つけると、サーッと来て「あの時は、すみませんでした!!」と深々と頭を下げて謝ったんですね。帰った後も長文で「あの頃は本当に未熟で……」と謝罪のLINEが来まして、その文面を見た時に「これ、もしかして戻りたいんじゃ?」と思い、あらためて5周年ライブに電話して誘ったんです。

小日向:とにかく謝りたかったんです。すごく、モヤモヤしていたんですね。大嶋さんから連絡がきたときは「はい!出たいです!!」と、すぐ返事しました。

一色:ただ、小嶋や芽瑠さん、大嶋さんにはスンナリと復縁できたものの、私とるりちゃんには気まずいと思ったのか、「みなさ~ん、お久しぶりです!」って楽屋に超ハイテンションで入ってきて「ごめんなさい!!」と謝ってくれたのですが、ずっと私たちと目を合わせてくれなくて(笑)。

浅水:もう、共演者のみなさんが驚くぐらいのテンションでしたよね。私たちは小嶋の生誕祭で脱退後初めて会ったので、正直楽屋に入ってきたときはドキドキしていたんです。ただ、あまりにテンション高く登場してきたのに顔を合わせてもくれないから、「えぇっ!?」と、ビックリ。何を考えているかわからなかったので怖かった。

小日向:小嶋の生誕祭なのに、私が来ることで重い空気にさせたら申し訳ないなと思って、とにかく元気でいようと思って(苦笑)。謝り方も勢いでやりすぎて、違うなあって終わってから反省しました。しかも、携帯のデータ移行に失敗して、萌さんの連絡先が消えちゃっていて。後日大嶋さんに萌さんのLINEを聞いて、ちゃんと謝りました。るりちゃんには5周年ライブのリハでちゃんと目を見て「ごめんなさい」って謝って、ハグした。

浅水:ハグ、いきなりだった。まあ、小嶋の生誕祭の時は、ちゃんまおなりの照れ隠しだったんだろうなあって。あの場では冷静でいられなかっただろうし、ちゃんと謝りたかったんだとわかったら「うん、いいか」という気になりました。そもそも私は謝られるほどの経験はしていなかったので、全然問題なかったんですけどね。

小日向:ありがとう~!好きだよ~!(ギュッと近づく)

浅水:ああ、もう!そういうのいいから(苦笑)。

やっぱみんなちゃんまおのことを認めているし、好きなんですよね(一色萌)

――(笑)。今日は小日向さんの懺悔・告解も兼ねているので、バシバシお互いに思ったことがあったら言ってください。話を戻して、5周年ライブに参加したことをキッカケにキスエク復帰へと心が傾いていくと。

小日向:そうです。5周年ライブが本当に楽しくて、「私、ステージに戻りたいな」と思ったんです。

大嶋:実際は簡単な話ではなく、戻るにあたり長く話し合いをして。そうしたら、今度はちゃんと活動に真剣になってくれると。その言葉通り今はキスエクのために頑張ってくれていますし、何より彼女の明るさや素質は以前までのキスエクには足りていなかった部分で。そこのピースが埋まりました。

――3年前の小日向さんと比べて、復帰してからのNEO・小日向まおは、色々と変化していましたか?

一色:全然違います。まず、元々デカかった声がさらにデカくなった。
小日向:昔は理想のアイドル像が「おとなしいクール系」で、そっちを目指していたから、全然ワーッ!という賑やかな部分は出さないように、スン!と話そうと心がけていたんですよ。昔の映像をみんなに見てほしい、絶対にクールに振る舞っているので。

小嶋:いや、どう記憶を辿っても、クールではなかったと思う(笑)。

浅水:今、自己紹介が出オチになっているんです。みんな普通のトーンで名前を言うのに、ちゃんまおだけ一人大きな声で「小日向まおです!!」と言って。お客さんも耳を塞ぐし、私たちも毎回耳を塞ぐぐらい。

一色:そのたびに爆笑が起こるっていう(笑)。元気で明るい子なんですけれど繊細でもあって、昔は少しでも否定されるたびにシュン…としていたんです。今でも落ち込む瞬間はありますが、帰ってきてからはだいぶ強くなったのか、周りを元気にする姿の方が増えました。正直言うと3年のブランクがあれば、確実にパワーダウンしていると思っていたんです。それが全然、むしろ歌もダンスもパワーアップしてきて帰ってきてくれた。なんでこんなにパワーアップしたのかはハテナ?なんですが(笑)。

小日向:それはもう、やる気しかないからね。たくさん練習しているんですよ。

――まさに、パフォーマンス面において小日向さんの帰還は大きかったと思います。あの高音ボイスが映える楽曲がキスエクには多いですからね。

小嶋:そうですね。特に『キグルミ惑星』でのオペラ歌唱のパートは、ちゃんまおの声あってだなってあらためて思いました。

一色:個人的にちゃんまおが戻ってきて印象的な出来事があります。7月末に大阪遠征が決まっていたのですが、出発直前に小嶋がコロナに罹り、急いで全員検査することになったんです。ところが、時期的に込み合っていたため検査結果が全然出てこなくて、るりちゃんの結果が出発のデッドラインまで出ず。最終的に私とちゃんまおの二人で向かうことになったんです。キスエクはメンバーの休みがほぼないグループなので、二人でライブするのが本当に“まれ”で。行きの新幹線の中で急きょ二人でできる楽曲は?の作戦会議を始めたんですよ

小日向:新曲は必ずやろうとか、二人用の歌割りとフォーメーションも急いで萌さんと考えて。

一色:ただ、何をどう頑張っても持ち時間が余ってしまう計算になり、「どうしよう!?」と焦っていたら、『悪魔の子守唄』を披露するのはどうだろう?となったんです。

――10分越えの大作、『悪魔の子守唄』を、慣れない二人編成で披露!?

一色:しかも、ちゃんまおが戻ってきてから一度も披露していなかったんです。ただ、長年やってきた曲ということもあり、「これなら歌割りもダンスも完璧だしやろう!」となって。大嶋さんに急遽連絡を入れて、セトリを変えてもらったんです。

小日向:好きだし思い出の曲だもん、本番も余裕だった~。

一色:最初の大阪でのライブを終えた後、るりちゃんも無事に合流するのですが、ムリな移動がたたり体調を崩しちゃって。東京に戻った後も私とちゃんまおの二人編成がたびたび続いたんです。今年の夏は四人揃わない時間が多かったのですが、急遽の対応を乗り切れた。これは、ちゃんまおだったから出来たことなんですよね。

小日向:おぉ~!今日はまおを褒める会?

一色:いや、懺悔も今日は兼ねているって言われなかった(笑)? 正直戻って来た時は「待っていた」、「よく戻したね」と、優しい言葉、厳しい言葉、色々な声をもらったんです。それが今、半年経ち、「ちゃんまおが戻ってきてからもっと良くなった。今のキスエク、楽しいね」という声が一番多くなったんですよ。やっぱみんなちゃんまおのことを認めているし、好きなんですよね。


『ADELHEID』はキスエクに届かなかったお客さんにすごくリーチしている(小日向まお)

――6年目のキスエクは小日向さんの帰還という形で、今までにないものをグループにもたらし、そして『ADELHEID』という楽曲によって、さらなる新しい扉を開きました。

一色:『ADELHEID』は、3月のライブで初めて披露した瞬間からメチャクチャ評判が良いんですよ。この曲を披露すると「あの曲はなんですか?気になります」と物販に来てくださる方が増えましたし、アイドルさんからも「あの曲なんですか?スゴイですね」と聞かれるんですよ。リハのときもスタッフさんが「この曲はすごい」と目線が変るぐらい。

小嶋:今までにないぐらいの視線を感じて、少し怖いぐらいだよね(笑)。リハからちゃんとしなくちゃって。

小日向:今まで、キスエクに届かなかったお客さんに、『ADELHEID』はすごくリーチしているなあと思います。

浅水:Twitterで反応を見ていると、今までキスエクを知らなかった人、興味がなかった人が、「この曲、良い」と呟いているのをよく見かけるんです。NARASAKIさんの音楽が好きな方もライブに来てくださったりと、この曲をキッカケにキスエクライブに通い始める方が増えてきました。

――今名前も出ましたが、今作はCOALTAR OF THE DEEPERS/特撮などの活動で知られるNARASAKIさん作詞・曲。初提供ですが、どういった経緯で?

大嶋:個人的に大好きな方で、10年以上前からNARASAKIさんには曲を書いてもらいたいなと思っていたんです。そうしていたらキスエクのバックバンドもやってくださっている諸田(英慈)さんとのご縁もあり、NARASAKIさんが3rdワンマンに遊びにきてくださって。その後、『Le carnaval des animaux -動物学的大幻想曲-』の『Ride a Tiger』のMixをNARASAKIさんが担当してくださることになったんです。

――『Ride~』は、作曲がcali≠gariの村井研次郎さん、ギターがPlastic Treeのナカヤマアキラさんと、ディーパーズ組でしたね。

大嶋:はい。ほぼ同じ頃に、特撮のアルバム(『エレクトリック ジェリーフィッシュ』)に一色、小嶋、真城がコーラスで参加させてもらうなど、段々距離が近づいていて。その後、諸田さんの生誕祭イベントにキスエクを呼んでいただいたのですが、そのときNARASAKIさんも出演されたんです。「もう一緒のステージに立ったし、ファミリーだから」とまで言って頂いて。

一色:本当にありがたいですね。

――デモを聴いた時の感想はいかがでした?『Ride~』や『羊たちの進撃』、『Nucleus』のようなヘヴィなナンバーはこれまでもありつつも、こうした00年代以降のジェント/メタルをベースにした攻撃的かつアトモスフェリックな音はキスエクに今までにないタイプなので、色々驚いたのでは?

一色:正直デモを聴き終えたとき、あまりのかっこよさに「ディーパーズのために取っておかなくていいんですか!? キスエクがもらっちゃっていいんですか!?」って、申し訳なく思ったぐらい(笑)。出頭のギターの「ジャッジャッジャッ」という音が耳に入った瞬間、ライブハウスで披露して低音で体がビリビリする瞬間がパッと浮かんで、その後、その瞬間を体感しちゃうほど衝撃が走ったんです。この曲から広がる力をすごく感じましたね。

大嶋:個人的にもこの曲をいただいたとき、すごく嬉しかったんです。NARASAKIさんは色々な方に楽曲提供されていて、それこそザ・アイドルな曲も作られている中、一番大事であろう「ディーパーズな曲」をキスエクにくださって。本当に光栄です。

一色:『ADELHEID』の初披露は、ちゃんまお初復帰の日だったんです。新メンバーが入る話も一切していなかった上に、顔を隠す振りで始まるので、一体お客さんがどういう反応を見せるのか?すごく楽しみだったんです。そうしたエピソード的にも『ADELHEID』は大きな一曲ですね。

――サウンド面での変化も大きいですが、それに合わせてみなさんの歌唱も大きく変わった印象です。なんと言いますか…キスエクのボーカリゼーションの魅力の一つ、劇的な部分や情感を込めた歌い方を極力排除し、良い意味での均整の取れた歌い方になっている気が。

一色:そうなんです。NARASAKIさんがボーカルのディレクションもしてくださったのですが、「自分のクセを出さないようにという」指導をいただいて。NARASAKIさんの思い描く世界観に沿うようにと意識していたら、個人的には過去一で苦労しました。こうして自分の歌のクセと向き合うのは初めてだったので。

小嶋:多分、萌氏とちゃんまおは、過去一レコーディングに時間をかけていたよね。

小日向:うん。しかも、たぶん私が一番時間かかっちゃった。普通に歌っても無意識にビブラートがかかるみたいで、「ビブラート、抑えましょう」と言われて。全然自分ではかけているつもりがなかったので、とにかく(収録中は)抑揚をつけないようにしなくちゃ…ってことばかり考えて歌っていました。

――小嶋さんと浅水さんは大丈夫だった?

浅水:大丈夫と言いますか、私の場合はどの曲も声量が足りない上に、レコーディングではさらに落ちちゃうので、毎回苦労しているんです。今回はその声量にかんして、NARASAKIさんが上手く声が出るように導いてくださって、ライブのときと同じぐらいのレベルで出せたんです。いつもお腹から声を出すように意識はしつつもできなかったことが、『ADELHEID』では上手くできて、「私、こんなに声が出せるんだ」って少し感動しました。

小嶋:私が確か最後のレコーディングだったんですよ。今までにないぐらいみんなのうた入れに時間がかかっていたので、これは大変だとメチャクチャ緊張していたら、スンナリ終わってしまって。むしろ、これでいいのか?と不安になっちゃって(苦笑)。

小日向:小嶋はメチャクチャ褒められていたよね。

小嶋:なんかね、今までにないぐらい。それでまた不安になっちゃって(笑)。

――アハハ。歌詞についてはいかがですか?

小日向:「教えておじいさん」というフレーズがもう、頭から離れない。

一色:歌詞を渡された瞬間、「教えておじいさん…『アルプスの少女ハイジ』!?」って、ビックリしました。

小嶋:『ADELHEID』がハイジの本名から来ていると、ファンの方の考察ツイートを読んで、なるほどなあと思った。

小日向:へえ、ハイジの本名なんだ! アーデルハイド・ハイジ…?

――いえ、アーデルハイドの末尾「ハイド」から取って「ハイジ」なんです。

小日向:へえ~!…って、知っていたんですけどね!!

楽曲にヴァイオリンとして参加できて、まだ私にやれることがあるんだと嬉しくなった(小嶋りん)

――これは失敬(笑)。そして同時収録の『メグルセカイ』は村井さんによるPFMを彷彿とさせる、小嶋さんのヴァイオリンをフィーチャーしたメロディアスなナンバー。しかも『イロノナイセカイ』から約5年ぶりにカタカナの“セカイ”を冠した楽曲です。

一色:このタイトルで気づいた方もいるかと思いますが、『メグルセカイ』は『イロノナイセカイ』へのアンサーソングへとなっているんです。すごいブランクですよね、果たしてこの先も続くのか?“カタカナセカイ”シリーズ(笑)。

小日向:私とりんりんがキスエクに入って最初に覚えた曲が『イロノナイセカイ』で。こうして久々にキスエクに戻ってきて『メグルセカイ』を歌うって…お~、本当にメグルなあ~!って思った。

――「分かれ道は何度だってあるから」というフレーズが印象的な、出会いと別れを歌う、キスエクにしては珍しい“卒業ソング”な趣の曲ですよね。

一色:確かに『メグルセカイ』は、村井さんにいただいてから、「奈央子ちゃんの卒業ライブに向けて披露しよう!」と、大急ぎで準備した曲ではあったのですが、実際は卒業ソングではないんです。奈央子ちゃんの卒業ライブで披露した後に、ちゃんまおが加入したりと色々な変更もあって中々できず、次に披露できたのが瞳々ちゃんの卒業ライブ。なので、結果的に“卒業ソング”みたいになっちゃったんです(苦笑)。

――まさかの!見事に別れと出会いを繰り返し進んでいくキスエクの姿に合っていると思っていたので。さて、小嶋さんがヴァイオリンでキスエク楽曲に参加したのは初。何がキッカケで小嶋さんのヴァイオリンを入れようと?

大嶋:デモをもらった時に村井さんから「できればこの曲にヴァイオリンを入れたいんですけど、ダメですかね?」と提案されたんです。僕も、いつか弾いてもらいたいと思っていたので、これは良いタイミングかなと。

小嶋:弾くと決まる前段階で『メグルセカイ』の曲データは送られていたのですが、まさかこの曲で弾くとは全然思っていなかったんです。加入して今年で5年経ったのですが、まだやれることがたくさんあるんだと思えたら嬉しくて。キスエクでももっと披露できたらいいなと思っています。

何歳でも新しいことはできる、失敗しても全然大丈夫!(小日向まお)

――6年という長い月日を経ると、どうしても活動の形が凝り固まってしまいがちですが、小日向さんの帰還、そして『ADELHEID』という新機軸、小嶋さんのヴァイオリン参加など、日を追うごとにキスエクは新たな可能性と出会えている。まさに「プログレ・アイドル」を体現し続けているなと。

一色:私は新しいものやサブカルのような突拍子もないことにドップリ浸かってきた人間ですが、どちらかというと私生活では目の前にあることをコツコツ積み重ねていくことを得意とするタイプ。この活動でもコツコツ続けていく先々で、新しいことに出会えるのがすごく嬉しい。今は、小嶋がヴァイオリンを披露して「ヴァイオリンが弾ける子がいて、すごい!」と驚かれるようなパフォーマンスも出来るようになり、ちゃんまおも水着仕事を始めて…この話はして大丈夫?

小日向:別にしなくていいよ~。

小嶋:しないの?した方がいいよ。

小日向:じゃあ、する~。

一色:ということで。ちゃんまおが水着撮影会の仕事を始めると言ってくれたんです。そのとき、「これで、少しでもキスエクのことを知ってもらえたらいいな」とも言ってくれたのが嬉しかったし頼もしかった。長く続けてきたことで、こうしてメンバー一人ひとりからキスエクをより広げたいという新しいアイディアが出てくるのは、今のキスエクがすごくいい状態にあるという証拠ですからね。

小日向:結果、広められてはいないけれど、知ってもらえる機会になったらいいなあと思って。まあ正直、小嶋が水着になった方が爆ウケすると思うんですよ。

小嶋:声をかけてもらえるなら、全然やりたいんだよね。声がかからないだけで。

――意外だ。小嶋さん、乗り気ですね。

一色:そうなんですよ、意外に小嶋は前向きに考えていて。もうさ、二人とも系統が違うから一緒にやればいいんじゃない?
小日向:うん。なんならもう、みんなでやろうよ。全員でやれば怖くないし楽しいよ。

浅水:…うん。

小日向:ほら、るりちゃんは「うん」って言った!

浅水:ここで「うん」と言っておかないと、「うん」と言うまでこの話が延々と続きそうだと思って。

小日向:え~!! 普段はこんなにツンツンじゃないのにね~、可愛い子だね~。

浅水:…この人、怖い(苦笑)。

一同:(笑)。

――アハハ。水着の話はさておいて、今のキスエクのさらに新しい事へと飛び込んでいきたいという姿勢は、みなさんの意識によってもたらされているんだなとわかりました。

小日向:そうですね! 離れて、また戻ってきてわかったんですよ。何歳でも新しいことはできるし、人生なにか失敗しても全然大丈夫!って。

一色:そうだ、そうだ! 本当にこのまま先の読めない、常に驚いてもらえるグループでいたいなと思っています。そういう意味では、キスエクは現在メンバー募集中で。大嶋さんとしては5人編成が理想と言っているのですが、個人的には10人ぐらいになってもいいと思うんです。

浅水:そうしたら…小嶋みたいに色んなことが出来る人が増えて、オーケストラみたいになるかもしれない(笑)。

大嶋:ちゃんまおが戻ってきたという前例もできたので、いつかYESのユニオンみたいに元メンバーが全員再加入するかもしれない。

平澤直孝(以下:平澤):新しいことに挑戦するならさ、YESの『ロンリー・ハート』みたいな、完全にコマーシャル化したような曲を個人的にはキスエクで聴いてみたいんだよね。

大嶋:ん~~~、そこはあまりにもプログレではないので、ちゃんと避けているんですよね。

平澤:多くのプログレバンドが80年代に入って完全に産業ロック方向に傾いていったのを、敢えて再現するというコンセプトでやればいいんじゃないかな、エイジアみたいに?

一同:あぁ~。

大嶋:なるほど、そう考えるとナシではありませんね。試しにジョン・ウェットン『バトル・ラインズ』みたいなのを作ってみるのはアリかも。

――むしろみなさんは、今プログレと全く関係ない超王道アイドルソングを渡されたとして、素直に受け取ります?

一色:…たぶん、「おお。これは、違う意味でプログレだな」と素直に受け取ると思います(笑)。

――完全に発想が一周していますね(笑)。

浅水:正直、萌さんの言うように、プログレが身に付きすぎて、もはや普通の定義があいまいになっているんですよ。私の場合、『メグルセカイ』の振りに一瞬アイドル風のステップが出てくるのですが、そこが全然できなかったんですよ。他の変拍子のところは大丈夫なのに。たぶん超普通の曲に違和感を覚えるぐらい、プログレ脳になっちゃったんです(苦笑)。

――(笑)。長谷川白紙さんや君島大空さんなど、プログレの洗礼を受けた若いミュージシャンによる、複雑な拍をやりつつポップに昇華している曲が、多くのリスナーに届いている。正当なプログレであり、しっかりアイドルであるキスエクが、より多くに届く環境は間違いなく整っている気がするんです。

一色:届いてほしい、受け入れてほしい。私、JKの間で『ADELHEID』の「教えておじいさん」をTikTokで使って流行ってくんないかな~と、密かに期待しているんですよ。

小嶋:確かに使いやすいよね、全然いけると思う。

大嶋:そういえばなぜか、『革命』だけTikTokで結構使われているらしく、少し前に楽曲使用のレポートが来たんですよ。

小日向:えぇっ!? どういうこと?

一色:フランス革命について歌った曲ですよ。どういう風に使ってくれたのか想像がサッパリできない(笑)。

――しかも組曲ですからね。『革命』だけ使われても、歌詞の中身が完璧に伝わらない気が。

小日向:謎だね…。けどTikTokで使われるアイドルになったんだ~、スゴイじゃん。

一色:『ADELHEID』で、キスエク的なキャッチィさも出せたし、『悪魔の子守唄』の「人間っていいな」も汎用性があるからね。もっとJKにキスエク楽曲を使ってもらい、広めてほしいですね。

■リリース情報

アーティスト:XOXO EXTREME
タイトル:ADELHEID
レーベル:NARISUCORE RECORDS
フォーマット:7inch
販売価格 (税込) :1,870円
品番:NC-666672

進化を続けるプログレッシヴ・アイドル XOXO EXTREME、1年ぶりとなるニューシングルが待望のアナログ化!
表題曲はNARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS、特撮)作詞/作曲、
カップリング曲「メグルセカイ」は作曲に村井研次郎(Cali≠gari)、ドラムスにLEVIN(La’cryma Christi)が参加!

収録曲
A面:ADELHEID / B面:メグルセカイ

■イベント情報

XOXO EXTREME
「ADELHEID」発売記念インストア・イベント
2022年11月3日(木・祝)
東京 ULTRA SHIBUYA
OPEN 18:00 / START 18:30
イベント内容: ミニ・ライヴ&特典会
※ご入場時に、ドリンク代700円を頂戴いたします。
※ミニ・ライヴは観覧人数に制限を設けさせていただきます。先着順にご案内し、
定員に達し次第締め切りとさせていただきます。ミニ・ライヴ後の特典会は、
列がとぎれるまで順次ご案内いたします。

[特典券付き商品]
XOXO EXTREME「ADELHEID」(NC-666672)1,870円(税込)
※特典券付き商品は11月3日(木・祝)正午からULTRA SHIBUYA店頭で販売予定です。在庫がなくなり次第販売は終了いたします。
※特典券はミニ・ライヴの入場を保証するものではございません。ミニ・ライヴ観覧は18:00から先着順での案内となりますのでご了承下さい。

[特典会レギュレーション]
特典券1枚→2ショットチェキ(サイン入り)
特典券2枚→全員囲みワイドチェキ(サイン入り)
特典券2枚→全員ジャケットサイン

詳細
https://ultra-shibuya.com/blogs/event/2022-11-03-xoxo-extreme

ZAIKOにて商品+特典付き配信チケットの販売もございます。
ultrashibuya.zaiko.io/item/352365