Last Update 2023.12.27

Interview

モーシー(莫西子诗)RECORD STORE DAY 記念インタビュー

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中国を代表するシンガーソングライター モーシー(莫西子诗)。
台湾最大の音楽賞の1つ「金音創作獎(GIMA)」で 2018年度の最優秀賞(海外作品部門)を受賞した最新アルバム『月はとても白い(月光白得很)』が2019年4月13日(土)のRECORD STORE DAYに発売されることを記念し、北京にいる彼に電話インタビューを敢行した。

取材:喜多 直人 (PANDA RECORD)

 

ーー自己紹介をお願いします。

モーシー「日本の皆さま、こんにちは。モーシー(莫西子诗)です。中国の西南部にある彝(イ)族という少数民族の出身です。パンダが住んでいる山がある、成都という都市の近くですね(笑)」

 

ーーRECORD STORE DAY JAPANでモーシーさんのアルバムを発売することになりました。今のお気持ちを聞かせてください。

モーシー私のアルバム『月はとても白い(月光白得很)』を、日本のRECORD STORE DAYで発売していただくことになり、とても光栄です。日本のみなさまに私のアルバムをレコードで聴いていただけるので、嬉しいです」

 

ーーモーシーさんも普段レコードを聴きますか。

モーシー「はい、私もレコードが好きです。あの暖かい音は、レコードでしか出せない豊かな感触です。レコード盤に針を落とし、A面を聴いたらレコード盤を裏返してB面を聴き、最後の曲を聴き終えたら、大切にジャケットに戻す。私は、このような一連の所作が大好きです。最近はインターネットで単曲の音楽を聴く事が多いですが、レコードはA面から順番に楽曲を聴く事が出来るので、一枚のアルバムを通して「物語」を体験する事ができます。私のアルバムも、そんな風に聴いてもらえたら嬉しいです。また、カッティングをしてくれた東洋化成さんのエンジニア 手塚さんの技術と長年の経験のおかげで、本当に素晴らしい音質になりました。ありがとうございます」

 

ーー『月はとても白い(月光白得很)』のジャケットも素晴らしいですね。あの絵はどなたが描いたのですか。

モーシー「私の故郷、彝(イ)族の12歳の少年が描いた絵です。とても素晴らしい絵です。また、レコードはCDより大きいので、ジャケットのデザインを楽しめるのが良いですね。そして、日本のジャケット印刷は本当に鮮明で綺麗です。今回、自分のレコードのサンプルをもらったとき、色がとても綺麗だったのでとても嬉しかったです」

ーー中国ではレコードを聴く人は多いですか。

モーシー「中国でもレコードを聴く人が少しずつ増えています。北京や上海などでは、小さなレコード専門店も出来始めました。わたしも、はっぴいえんどの「風街ろまん」をレコードで買いました(笑)」

 

ーーレコードプレーヤーは何をお持ちですか。

モーシー「以前、日本に行った時に、パイオニア製の古いレコードプレーヤーを買いました。古いものが路上でたくさん売っているところで買いました。何て発音するんでしたっけ? えーと、ノミノイチ…?」

 

ーー「蚤の市」ですね。

モーシー「そうそう。「蚤の市」で買いました。私は古いものが好きです。でも、この前レコードを聴こうと思ったら動かなくなってしまいました。中国ではレコードプレーヤーを売っているお店はまだまだ少ないので、今度日本に行った時に新品を買いに行きたいと思います」

 

ーー日本の青葉市子さんが中国ツアーをした時に、モーシーさんが中国側のホストをされたんですか。

モーシー「はい。青葉市子さんの音楽は本当に素晴らしいですね。彼女が中国ツアーをしたときに、北京のステージで共演させていただきました。中国メディア向けのビデオ撮影をした時に、彼女と一緒に日本の「早口言葉」をしました。「生麦生米生卵」「坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いた」早口言葉は面白いですね。音楽と似ています(笑)」

ーーちなみに、モーシーさんは日本語がとても上手ですね。どこで学ばれたんですか。

モーシー「私が学生の頃、日本のJICA(国際協力機構)が故郷の彝(イ)族に派遣してくれた日本語教師から学びました。日本語だけでなく、日本の色々な文化を教えてもらいました。その先生には今でもお世話になっています。もっと日本語を勉強して、日本の皆さまとたくさんお話がしたいです」

 

ーー最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

モーシー「RECORD STORE DAYは本当に素晴らしいイベントです。日本から発信して、中国でもレコードを聴く文化が広がったらいいなと思います。今後ともよろしくお願いします」

 

モーシー(莫西子诗)プロフィール

中国西南地方の少数民族「彝(イ)族」出身。
2013年にCCTV(中国の国営放送)で放映された弾き語りの圧倒的な歌声が中国全土の注目を集め一躍シンガーソングライターとして人気を博す。2014年にデビューアルバム「原野」をリリース。自らのルーツである彝(イ)族の言語と民族楽器を中心に収録された「原野」は一気に中国全土のヒットチャートを駆け登り、多様な文化を持つ中国の人々の心に共鳴した伝説のアルバムとなる。

2017年にPANDA RECORDが実施した青葉市子の中国主要4都市ツアーでは、中国側のホストとして彼女のツアーを成功に導く。また、同年に在日中華人民共和国大使館が東京の代々木公園で開催した「チャイナフェスティバル2017」に出演し、中国と日本の文化を結ぶイベントの成功に大きく貢献した。

2018年にはアメリカのテキサス州で開催されるSXSW音楽祭に出演。同年にはドイツでのツアーも果たすなど、世界に向けた活動を開始した。

JICA(国際協力機構)が彝(イ)族に派遣した教師から日本文化を学んだ彼は、流暢な日本語を話すことができる。好きな食物は「讃岐うどん」。

 

作品情報

アーティスト:モーシー(莫西子诗)
タイトル:月はとても白い(月光白得很/Moon light is very white)
発売日:2019年4月13日(土)
発売元:PANDA RECORD
品番:BRANCD004L
仕様:LP
販売価格(税抜):3,500円
JANコード:4582237842609

収録曲:
1. 遠くに
2. 私たちはすべて
3. 南はシェイクスピアのようだ (Shakespeare)
4. 彝(イ)族の松明祭りと天地の由来についての言葉
5. 彷徨う
6. ニワトリがなくした
7. 蝉は三日しか鳴らない
8. 回
9. 月はとても白い
10. MOMA
11. 怖がらないで

アイテム詳細はこちら
https://recordstoreday.jp/item/085_brancd004l/

モーシーさんのコメント動画はこちら
https://recordstoreday.jp/comment/